労務のレシピ

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人事労務関連のさまざまな知識や手続き方法を紹介しています。労務業務の最適化にもお役に立てればと。

会社印の押印に時間がかかるとお悩みの方へ。「事業主代理人」選任で押印フローは効率化できる!

以前と比べたら随分と電子申請が身近になったような気がしますが、労務系書類はまだまだ会社の押印が必要な場面って結構あります。

この押印、会社の規模や状況によっては、とっても時間がかかることがあります。いわゆる大手企業なんかでは、そんなに簡単に会社の代表印って押せないんですよね。

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大手企業の押印フローあるある 

  1. 押印申請書を書いて、
  2. 上司に承認印をもらって、
  3. 押印をしてほしい箇所に付箋を貼って、
  4. 押印を担当する部署(総務部や法務部など)に持って行って、
  5. 決まった時間に押印。

上司がなかなか捕まらないとさらに時間が経過していく・・・。

そんなことにならないよう、前職ではこんなことをしていました。

 

「事業主代理人」を選任して、代表者を担当部長に。

 事業主代理人とは?

社会保険や雇用保険などの申請書の「代表者」とは、通常会社の社長となりますが、その社長が自分に代わって手続きをする人を選任することができます。選任すると、社長ではなく専任された人の名前と印鑑で手続きすることができます。

代理人は誰が適任?

社長の代わりとなる人なので、人事労務担当部署を統括する取締役や部長クラスなど、業務の責任者となる人がよいと思います。人事担当取締役や人事総務部長と言われるような方ですね。

効果は?

代表取締役の印でなくてもよくなり、直属の上司が印鑑を持っている状態となるので、押印フローが劇的に効率化します。

簡単に押印しちゃって大丈夫?

一瞬そんな疑問が頭をよぎりますが、むしろ業務がわかっていない社長や押印担当部署の人が押印するよりも、業務がわかっている担当部署の責任者のほうが安心だと考えます。また、普及し始めている電子申請なんてぶっちゃけ担当者のPC操作だけで終了しますからね・・・。正しく申請や手続きが行えていれば、問題視することなんてないと思います。

必要な手続きは?

書類の提出先にそれぞれ代理人選任届けを提出する必要があります。

年金事務所・協会けんぽ

事業主の変更や事業所に関する事項の変更があったときの手続き|日本年金機構

関東ITソフトウェア健保組合の場合

事業主・代理人・電話番号等に変更があったとき | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

労働保険(労災・雇用保険)

様式第23号「労働保険代理人選任・解任届」(提出先の監督署名と安定所名が同じ場合) 

様式第23号「労働保険代理人選任・解任届」(提出先の監督署名と安定所名が異なる場合)

 

それぞれに書類を出さなければいけないのでちょっと大変ですが、これをやれば押印を待つ時間を大幅に削減できます。押印に高い壁が立ちはだかる会社はやっておく価値あり!(前職の製薬会社や飲食企画会社は実際にこれ、やってました。)電子申請を行っている会社は、健保組合だけでもいいかもです!

 

知らなかっただけで非効率になるなんてもったいない! すべての会社の労務業務が最適化されますように。