労務のレシピ

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人事労務関連のさまざまな知識や手続き方法を紹介しています。労務業務の最適化にもお役に立てればと。

人事担当者なら知っておきたい規程・規定・規則の違い

規程の記事を書いていて自分でも気になっていた、規程・規定の違いを規則と合わせて調べてみました。

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目次



規程・規定・規則を辞書で調べてみると

規程

1 決まり。さだめ。規定。

2 一定の目的のために定められた一連の条項の称。特に、官公庁などで、内部組織や事務取扱を定めたもの。「服務―」「図書貸し出し―」

きてい【規程】の意味 - goo国語辞書

規定

1 物事を一定の形に定めること。また、その定めた内容。きまり。規程。「―の書式」「概念を―する」

2 法令の条文として定めること。また、法令の個々の条文。「第一条に―するところに従う」 きてい【規定】の意味 - goo国語辞書

規則

1 行為や事務手続きなどが、それに基づいて行われるように定めた事柄。決まり。「―を守る」「―ずくめ」「就業―」

2 物事の秩序。「―正しい」
3 ㋐最高裁判所、国会の両議院、会計検査院、人事院などが、憲法や法律に基づき、内部規律・事務処理などに関して制定する法。
㋑都道府県知事・市町村長が、その権限に属する事務に関して制定する細則。

きそく【規則】の意味 - goo国語辞書

このような意味でした。


これを踏まえ、規程・規定の意味を再度まとめると

種類 文法 意味1 意味2
規定 動詞 規程を定めること 法令の個々の条文。
規程 名詞 決まりそのもの 一定の目的のために定められた一連の条項の称



人事担当者向けの答えはこれ!

規程と規定の違い

  • 規程は名詞、規定は動詞。なので使い方としては「規程を規定する。」となります。
    • (例)賃金規程を規定する。
  • 規程は規定の集まり
    • 規程 = 規定 + 規定 + 規定 + ・・・・

ということになります!

規則と規程の違い

就業「規則」なのか就業「規程」なのか

規程、規則の意味からするとどちらでも良いように思いますし、どちらもよく聞く言葉です。ではどちらなのか。

答えは?

「就業規則」     

なぜならば、「規則」の意味として、”憲法や法律に基づき、内部規律・事務処理などに関して制定する法。”というものがあり、労働基準法の中でも「規則」が使われています。

(作成及び届出の義務) 第八十九条  常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

そのため、どっち?と言われたら「就業規則」です。

規則と規程の関係

人事関連の書類のなかで「規則」を使うのは「就業規則」くらいかもしれません。その他のもので、賃金規程、退職金規程、慶弔金規程、評価規程、育児・介護休業規程、出向規程、などなどは”規則”はあまり使わないですよね。

規則は「物事の秩序」という意味も持っているため、秩序がどうこうというよりも、決まりそのものを決めたいという意味や、憲法や法律に基づくのは前提ですが、その会社の独自色が強くなるため「規程」が使われるということなんだと思われます。(これは私の想像です。)

なので名称として使用する場合は規定ではなくすべて「規程」です。

× 賃金規定
○ 賃金規程

就業規則 = 規程 + 規程 +規程 + ・・・

これでスッキリ!

(万が一誤りがある場合は、お気軽にコメント欄にてご指摘いただければと思います。)