労務のレシピ

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人事労務関連のさまざまな知識や手続き方法を紹介しています。労務業務の最適化にもお役に立てればと。

今年の年末調整を乗り切るためにやっておきたい事前準備とは?

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このブログを前回更新したのは昨年の1月でした。。最近は、SmartHR mag. というメディアで書いていることが多いのですが、元労務担当者としての思想強めな話になっていきそうな予感がしてるので、個人ブログのこちらに書いていこうかと思います。

 

なおこのブログは、15年以上の人事労務経験を元に、実務担当者目線で書いているものです。「法令×現場運用」をいかにして効率良く、従業員に対しても自身の知識経験を福利厚生のようにメリットとして提供できるか、ということを常日頃から考えている者が発信させていただいております。
ということを予めご承知置きいただけますと🙏

 

さて、本題ですが、

 

今年の年末調整はちょっと大変です。配偶者控除の改正があり、紙も増えますし、配偶者を扶養する場合は従業員本人の収入要件が加わります。

mag.smarthr.jp

今まで以上に混乱を招くのではと予想しており、それをいかにしてスマートに乗り切るのかが人事労務担当者の腕の見せどころ💪となっております。

 

スマートに乗り切るためには事前の準備が必要! 「まだ9月」なんて言っていてはいられません。シーズンが到来する前にやっておける事前準備をどこまでやっていたかどうかで、シーズン中のバタバタが防げるかも。

 

ということで、8月末からTwitterでティップスをつぶやいておりましたので、それをまとめていこうと思います。

 

 

まずは源泉徴収票

 

言われる前がカッコいい!

 

意外に人事労務担当者でも知らない方いらっしゃいます。今のうちに知っておこ!

 

今年1月入社の方がいる場合は要注意。給与が翌月払いの会社だった場合、今年の源泉徴収票を持っているはず。

 

この罠、意外にあります! 昨年の弊社では30名くらいの従業員の中で、年末調整やっちゃってる源泉徴収票を持ってる中途入社者が2名いました。

 

 

どうして退職者の源泉徴収票がこうなってしまうのかは謎です。。。

 

 

まとめ

9月の今からでもできることは、中途入社者・退職者の源泉徴収票の回収・送付です。地味ですが、今のうちからの対応、声かけは後々の業務に効いてきますよ〜。おすすめです。

 

従業員も労務担当者も要確認!源泉徴収票をチェックする3つのポイント

給与計算ソフトだから必ず正しい計算や書類が作成できる。

そんな風に思う労務担当者も多いことでしょう。私もそうでした。しかし、想定外の仕様により誤りを発見し、「ドヒャーー」ということに直面しました。もっと早く気付けたらよかったんですが、今からでもやり直しは間に合うと思うのでシェアします。皆さま要チェック。

 

特に次のような方はぜひご自身で源泉徴収票をチェックをしてみましょう。

  • いわゆる老舗のものではなく、新鋭の給与計算ソフトを導入した時
  • その給与計算ソフトで初めて年末調整を行った時
  • 自分の源泉徴収票の内容があっているかどうかを確認したい従業員さん

 

源泉徴収票のチェックのポイント

1.「支払金額」をチェック

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この欄は、「課税支給額」の年間合計の数字が入ります。課税支給額とは、所得税の課税対象となる、さまざまな控除が行われる前の金額です。通勤手当(月15万以上の部分は課税対象となります)、経費精算分などは含まれません。

 

例えば、

  • 基本給 30
  • 役職手当 5
  • 通勤手当 1
  • 立替精算 5千円

この場合の課税支給額は基本給+役職手当の35万となります。もし1年間の給与が同額の場合は「35×12ヶ月=420万」が源泉徴収票の支払額欄に表示されます。

  • 賞与がある会社は賞与分も含みます。
  • 年の途中で転職しているかたは、提出した前職の源泉徴収票の支払金額も含まれます。

まずはこの支払額の金額があっているかを確認しましょう。

 

とある給与計算ソフトでは、一部の金額を年末調整画面で入力すると、集計がロックされてしまい、「再集計」などのボタンを押してもあとから確定した12月支給給与などが取り込まれないという仕様になっています。先に年調データを入れて、あとから給与を確定した場合、「再集計」的なことをしないと計算が回らないというのは全然よくあるんですが、「うーーーーん、それはちょっとわからないぞ」という操作やデータの入力のし直しをしないといけない仕様となっていました。一部の情報入力だけが対象のため、これはなかなか気がつけない。。。 

  • 労務担当者は、賃金台帳の課税支給額合計と源泉徴収票の支払金額があっているか確認しましょう。 
  • 従業員さんは自分で計算した金額と合わない場合は労務担当者に問い合わせてみましょう。自分では把握していないものあるかもしれないので、「間違ってる!!」と決めつけず、まずは「内容の確認をしたい。」と申し出ましょう。

この「支払金額」が合っていないとその後の計算が全部おかしくなります。まずはこの金額をチェック!

 

2. 扶養家族が表示されているかチェック

「給与所得者の扶養控除等申告書」で申告した扶養家族の情報が表示されているか確認しましょう。16歳未満の家族は所得税には影響ありませんが、新年度の住民税に影響があります。

所得税が関係ないからと、入力を忘れていることもあります。平成28年分から源泉徴収票の様式が変わり、扶養家族欄ができましたので見やすくなりました。家族がいるかたはチェックしておきましょう。 

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前職情報が摘要欄に表示されているかチェック

年の途中で転職をしていて、前職から該当年分に給与を受けていた場合、支払金額や社会保険料など、前職の源泉徴収票に記載される数字も合算して年末調整が行われるのですが、現職で発行される源泉徴収票の摘要欄には前職の会社名、支払額などの情報を表示させる必要があります。これがないと、住民税の計算基礎となる金額が二重加算されるなんてこともあり得るので要チェック!

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(↑これは入力がされていないパターンです。会社名、住所、退職日、支払金額、社会保険料、源泉徴収税の情報表示が必要です。)

 

どのように影響するかといえば、摘要欄に前職情報がないと前職分が含まれているのか、含まずに年調してしまったのかわからないんです。

たとえば2月に転職していた場合、

  • 前職の会社からは支払額70万の給与支払報告書が市区町村に送付されます。
  • 現職の会社から支払額580万の給与支払報告書が市区町村に送付されたとします。

そうすると、現職の支払額580万に前職分70万が含まれているのかどうかの予測はかなり難しい。10ヶ月在籍分で580万の支払額ってありえますからね。。前職分と現職分を合算した金額を元に住民税が計算されてしまう、なんてことが発生してしまう可能性があるんです。

確認の連絡をくれる市区町村もあるかもしれませんが、確認をしない市区町村もあるかもしれない。

 

とある給与計算ソフトはこの前職情報を入力する欄自体がありません。摘要欄に表示させる欄もないんです。これでは市区町村にも迷惑かけるし、何と言っても従業員に不利益をもたらしてしまう可能性がある。非常に残念です。

昨年転職している方は、もらった源泉徴収票に前職情報が摘要欄に表示されているかどうか、しっかり確認しましょう。

 

当たり前が当たり前じゃないことになっている哀しさ

このように、「当たり前」であったことが当たり前ではない給与計算ソフトが流通しており非常に残念に思っています。金銭面で直接的な不利益をもたらしてしまうというのはさすがにダメだと思うんですが、そうなってしまってるなら自分で自分の身を守るしかない。

 

他にもポイントはありますが、まずはこの3つは労務担当者も従業員本人もおさえておきましょう!

1月から新しい医療費控除が始まるからドラッグストアのレシートは一応取っておこう。

ちょこちょこと聞こえ始めている「セルフメディケーション税制」。みなさま把握済みでしょうか?

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セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは?

対象

  • 平成29年1月1日以降に購入した、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)
  • 所得控除できる金額は、購入額合計から12,000円を引いた金額(上限は88,000円) (例:20,000円購入していたら、所得控除額は8,000円)

で、よく勘違いされがちですが、所得税が8,000円安くなるという話ではありません。 所得税って「所得額」に税率をかけて計算します。なので「所得額」の金額が小さくなればおのずと所得税も低くなる。上記の例でいうと、所得額から8,000円をさらに控除してあげますよ。という話です。

もっと計算した話をすると、例えば所得額が400万だった場合、このセルフメディケーション税制を使って確定申告すると次の金額が節税となって戻ってきます。

  • 所得税 8,000✕20%=1,600円
  • 住民税 8,000✕10%=800円
  • 合計 2,400円が節税できます。

所得税率は所得額によって変わるため、上記はあくまでも一例ですが、だいたいの金額感としたらこんな感じです。なお、年末調整ではできないので自分で確定申告をする必要があります。

詳しくはこちらをご参考ください。 セルフメディケーション税制 - 日本薬剤師会 http://www.nichiyaku.or.jp/wp-content/uploads/2016/10/1028_1.pdf

医薬品系のレシートは取っておこう。

12,000円を超えた金額が対象となるので、もしかしたらそもそもそこまで購入することはないかもしれません。12月になってみないとわからないので、ひとまずドラッグストアなどのレシートはとっておきましょう。 ただし、セルフメディケーション税制の対象となるものはすべての医薬品ではありません。報道によると対象商品にはレシートに★などスイッチOTC医薬品であることがわかる印がつくようです。その印が入ったレシートはとっておきましょう。

レシートを1年間とっておく習慣がない方へ

クリアファイル(フォルダ)を用意して、どんどん入れていくのがカンタンでオススメです。来年1月にためておいたレシートのスイッチOTC医薬品分の金額合計がいくらになっているか見て、12,000円以下なら破棄でOK、12,000円超えているなら確定申告するかどうか考えましょう。ちょっとだけ超えてるだけなら手間のコストの方が高くなる可能性もあるので要確認です。

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以前からある「医療費控除」とのかねあい

10万円以上医療費がかかった場合に所得控除が受けることができる「医療費控除」はなくなったわけではありません。この医療費控除で申告をするか、セルフメディケーション税制のほうで申告をするか、どちらかでの申告となります。

気をつけて! 厚生年金保険料がアップするのは10月支払い給与から!(ほとんどの会社が)

この季節になると、こういう記事をよく見かけます。disるわけではありませんが、知識ある人や、しっかり最後まで読み進めないと勘違いしてしまうので、ちょっとなあ・・と毎年思っています。

勘違いしてしまいそうな記事

その1

bizer.jp

 

その2

wol.nikkeibp.co.jp

 

勘違いとは?

9月から年金保険料がアップすると思ってしまいませんか? 記事をしっかり最後まで読んでいけば10月から変更になる話が出てくるんですが、さらっと斜め読みしていると9月に変更されると思ってしまいます。

 

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厚生年金保険料の変更の実態

いつから厚生年金保険料がアップされるのか

ほとんどの人が「10月に受け取る給与から」です。(例外あり)

 

対象者は?

全員です。

 

なぜ変わるの?

2つの理由があります。

1つは厚生年金保険料率が変わるため。これは全員対象です。実は毎年ずーっとちょっとずーつ、ちょっとずーつ保険料率がジワジワアップされていました。来年のアップで一旦固定される予定となっています。

 

もう1つは保険料率を掛ける基となる金額(標準報酬月額)が変更される場合があります。定時決定といって、毎年1回この時期に見直しが行われます。この1年、給与も通勤手当も、何も増減がない方は変更がありません。目安として1万円くらい増減があると、変更の対象になる場合があります。

 

なぜ冒頭の記事は9月と言っているのか

実は、上記の2つの理由の保険料率、標準報酬月額の変更は9月に行われるからなんです。じゃあ9月に変更で合ってるじゃない! いえ、違うんです。これらが変更になったことによる、実際の厚生年金保険料の変更は「10月に受け取る給与」から変更になるんです。これは給与支給日(当月払い、翌月払い)の関係はありません。

なぜ10月給与から変更になるのか

社会保険料の支払いは「後払い」だと考えていただくとわかりやすいです。9月分の厚生年金保険料は後払いなので、実際は10月給与から控除されるので10月給与から変更となります。

 

なぜ社会保険料は後払いなのか?

実務ベースで考えてみましょう。

1.給与支給が「翌月払い」の場合、入社月に給与支給がないので控除できない。

例えば、末締め、翌月15日払いの会社の場合、9月入社の人の初回給与支給日は10月15日となります。9月分の社会保険料を9月に控除することとしていると、給与控除できないので困ってしまいます。

 

2.給与支給が「当月払い」の場合でも、給与計算時期にまだ標準報酬月額が決定していない可能性が高い。

社会保険料を計算する基となる「標準報酬月額」の決定は事業主ではなく保険者(年金機構や健保組合)になります。当月25日払いの場合、だいたい中旬くらいまでには給与計算を開始しているかと思います。その頃に決定通知書、届いてるかな〜ギリかな〜と、当月控除するのは実務的に難しい。となります。

なので、当月払いの会社の入社月の社会保険料の控除はなし。となります。

3.会社が保険者(年金機構・健保組合)に従業員分を含めた保険料を納めるのは翌月末。

従業員から先(当月)に控除すると「預り金」になってしまうし、納付も翌月末なので、当月に控除する必要がありません。

 

こういった実務的な理由もあって、ほとんどの会社が後払い(翌月控除)をしています。

ちなみに私は社会保険料を当月控除している会社を聞いたことがありませんが、入社月の社会保険料の控除が次のようになっていたら、「当月控除」の会社です。

  • 給与支給が当月払い:入社月の初回給与から社会保険料が控除されている。
  • 給与支給が翌月払い:初回給与から社会保険料が2ヶ月分控除されている。

 

 

給与計算で気をつけなければいけない月は?

10月支払い給与をいつ計算するのか。ということがポイントです。給与支給日が15日なら、だいたい10月に入ってから給与計算しますよね? そうすると、10月の給与計算で給与ソフトの保険料率を変更したり、新しい標準報酬月額を取り込んだりする必要があります。

3日支給なら、9月下旬に給与計算が必要でしょう。そうすると9月の給与計算で変更処理が必要です。

 

まとめ

  • 厚生年金保険料が変更になるのは、給与支給が当月払い、翌月払いに関係なく「10月に支払われる給与」から変更になります。
  • 給与計算担当者は「10月に支払う給与」の計算に注意しましょう。

(社保料を当月控除している会社除く) 

会社印の押印に時間がかかるとお悩みの方へ。「事業主代理人」選任で押印フローは効率化できる!

以前と比べたら随分と電子申請が身近になったような気がしますが、労務系書類はまだまだ会社の押印が必要な場面って結構あります。

この押印、会社の規模や状況によっては、とっても時間がかかることがあります。いわゆる大手企業なんかでは、そんなに簡単に会社の代表印って押せないんですよね。

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大手企業の押印フローあるある 

  1. 押印申請書を書いて、
  2. 上司に承認印をもらって、
  3. 押印をしてほしい箇所に付箋を貼って、
  4. 押印を担当する部署(総務部や法務部など)に持って行って、
  5. 決まった時間に押印。

上司がなかなか捕まらないとさらに時間が経過していく・・・。

そんなことにならないよう、前職ではこんなことをしていました。

 

「事業主代理人」を選任して、代表者を担当部長に。

 事業主代理人とは?

社会保険や雇用保険などの申請書の「代表者」とは、通常会社の社長となりますが、その社長が自分に代わって手続きをする人を選任することができます。選任すると、社長ではなく専任された人の名前と印鑑で手続きすることができます。

代理人は誰が適任?

社長の代わりとなる人なので、人事労務担当部署を統括する取締役や部長クラスなど、業務の責任者となる人がよいと思います。人事担当取締役や人事総務部長と言われるような方ですね。

効果は?

代表取締役の印でなくてもよくなり、直属の上司が印鑑を持っている状態となるので、押印フローが劇的に効率化します。

簡単に押印しちゃって大丈夫?

一瞬そんな疑問が頭をよぎりますが、むしろ業務がわかっていない社長や押印担当部署の人が押印するよりも、業務がわかっている担当部署の責任者のほうが安心だと考えます。また、普及し始めている電子申請なんてぶっちゃけ担当者のPC操作だけで終了しますからね・・・。正しく申請や手続きが行えていれば、問題視することなんてないと思います。

必要な手続きは?

書類の提出先にそれぞれ代理人選任届けを提出する必要があります。

年金事務所・協会けんぽ

事業主の変更や事業所に関する事項の変更があったときの手続き|日本年金機構

関東ITソフトウェア健保組合の場合

事業主・代理人・電話番号等に変更があったとき | [ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

労働保険(労災・雇用保険)

様式第23号「労働保険代理人選任・解任届」(提出先の監督署名と安定所名が同じ場合) 

様式第23号「労働保険代理人選任・解任届」(提出先の監督署名と安定所名が異なる場合)

 

それぞれに書類を出さなければいけないのでちょっと大変ですが、これをやれば押印を待つ時間を大幅に削減できます。押印に高い壁が立ちはだかる会社はやっておく価値あり!(前職の製薬会社や飲食企画会社は実際にこれ、やってました。)電子申請を行っている会社は、健保組合だけでもいいかもです!

 

知らなかっただけで非効率になるなんてもったいない! すべての会社の労務業務が最適化されますように。 

平成28年度東京都の最低賃金は?アルバイトの時給の決め方。

先日、10月1日から順次発効される平成28年度の最低賃金額が発表されました。

headlines.yahoo.co.jp

平成28年10月以降、東京都の最低賃金額は932円。前年度より25円アップです。

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最低賃金とは?

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。

www.mhlw.go.jp

アルバイトの時給の決め方

アルバイトさんを雇用しようとした時、時給っていくらにすればいいんだろう。初めて人を雇用する時ってわからないこともあるかと思います。そんな時基準となるのがこの最低賃金。実は地域ごとに時給の最低額が法律で決まっているんです。

なので、この金額を下回って人を雇用することはできません。試用期間中でも下回ることはできないのでご注意を。

東京であれば時給は932円以上。

フルタイムや正社員の人であれば、例えば土日祝日休みの会社の場合、1ヶ月の勤務日数で23日の月があれば単純計算として

932円✕8時間✕23日=171,488円

この金額以下を月給とすることができません。

新卒の初任給を17万円台にしている会社、結構あると思います。そろそろ危ないので要チェック!!

最低賃金は毎年8月頃公開されて、10月から適用となります。アルバイトさんなど時給制の方を雇用されている会社は忘れずにチェックしましょう。

余談

こんなことを言ってはあれですが、私の高校時代の時給は600円台だったなあ。。。(歳がバレる) 900円台ってなかなか高給〜なんて思ってしまうのが正直なところ。。

採用ページで東京でも800円台の時給としている会社、たびたび見かけます。違法となっていることに気づいていないような雰囲気もあるので、「最低賃金」というものがあることを知っておきましょう。

【雇用保険編】独立・フリーになる時に知っておきたい退職後の健康保険や年金・税金のこと

今回は、雇用保険について解説します!

在職中の給与明細の控除項目の中で、唯一「退職後」のためとして支払っていた雇用保険料。独立やフリーとなる時はどうなるのでしょうか?

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そもそも雇用保険ってなあに?

雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。

ハローワークインターネットサービス - 基本手当について

ざっくりいうと、離職直前の6ヶ月間の給与の平均額を、金額に応じて50%〜80%(上限あり)が再就職できるまで支給されるものです。支給される期間も年齢や退職理由によって異なります。(90日〜360日)

・支給について https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

・給付日数 https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html


受給要件を見てみよう。

ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力がある

さて、退職してフリーでやっていこうと思っている方は、これを読んでどう思われたでしょうか。

そうなんです、受給要件、当てはまらないんです。

雇用保険は「雇用されたいんだけどされていない時の保険」のため、フリーとなって雇用される側からオサラバした方は、要件外となってしまうんです。


せっかく長年払ってきた雇用保険料、どうなるの?

すでに準備を在職中にすませ、退職日後すぐに活動を始める方

雇用保険の受給は諦めましょう。

不正受給について、ハローワークでも厳しく注意喚起がされています。

不正受給の典型例 https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_dishonesty.html

  • 自営や請負により事業を始めているにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず、 偽りの申告を行った場合
  • 内職や手伝いをした事実及びその収入を「失業認定申告書」に記さず、 偽りの申告を行った場合
  • 会社の役員に就任(名義だけの場合も含む。)しているにもかかわらず、「失業認定申告書」 に記さず、偽りの申告を行った場合

雇用保険の不正受給関連のニュースは結構耳にしますし、逮捕されることもあります。マイナンバーも本格的に始まることもありますし、SNSの時代ですからね、、、あまり邪視な考えで行動するとせっかくの楽しみな未来が台無し。絶対に私は受給のオススメはしません。 すぐに活動が始められるなんてとっても幸せなことだと思います。

matome.naver.jp

私自身、◯十年も雇用保険料を払ってきていますが、一度も恩恵を受けられたことはありません。結構な金額を掛け捨て状態。。

退職後から準備を始めるかた

状況次第によっては「再就職手当」がもらえる可能性あり。

現在は、自営業(非雇用)に専念しない状態や実態に応じて受給資格の可否を判断してもらえるようです。雇用される意思が完全にないことを示してしまうと「雇用保険」(雇われることの保険)としての趣旨と異なってしまうため受給資格は得られませんが、「雇用される可能性もある!」といった状態であれば自営業の可能性を隠さなくても大丈夫になっているそうです。(社労士の岡さま、情報ありがとうございました)

(2017/1 訂正)


## 独立後に人を雇用すると受けられる助成金があります!

創業に要した費用の一部を最大150万円まで助成金として支給してくれる制度があります。(受給資格者創業支援助成金)

* 5年以上ご自身が雇用保険に加入していた。 * 3ヶ月以上事業を行っている。 * 独立開業後、1年以内に人を雇用して雇用保険の適用事業者となっている。

1年以内って厳しい!! ずっと雇用保険料払ってきたんだし、雇用を生み出したんだからもっと緩和して欲しいですよね! せめて2年とか3年とか。

いずれにしても上記に該当しそうになったら、ぜひこちらをチェック! http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/43.pdf

こちらの助成金、平成25年3月で廃止となっておりました。大変失礼いたしました。 (2017/1 訂正)

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